ステータス: 🟢 現役 最終更新: 2026-07-13 作成者: にしむら(学習キュレーター)
この章のゴール
自分の状況に合わせて、クラウド版とセルフホスト版のどちらを選ぶかを、根拠付きで判断できるようになること。
まず結論
手軽に始めたい・運用の手間を避けたいならクラウド版、機密データを自社管理下に置きたい・カスタマイズや大量利用でコストを抑えたいならセルフホスト版が候補になります。まずクラウドで学び、要件が固まってからセルフホストを検討する、という順が多くの人に合います。
やさしい解説
クラウド版はDify社のサーバーを使うため、サーバー構築が不要で即座に始められます。一方、データはDify社の環境を経由します。セルフホスト版は自前のサーバーにDifyを構築するため、データを自社の管理下に置け、細かなカスタマイズもできますが、構築と運用の技術的な手間が発生します。
セルフホスト版は主にDocker Composeで構築します。公式構成では11個のコンテナ(コア5個 + 依存6個)が動き、最小要件はCPU 2コア・RAM 4GiBです(公式ドキュメント)。データベースはデフォルトでWeaviate(ベクトル)、PostgreSQL(RDB)、Redis(キャッシュ)が使われます。Docker Composeのほか、Kubernetes、Terraform、AWS CDK、Alibaba Cloudでのデプロイにも対応しています。
料金体系(クラウド版・2026年7月時点)は次の通りです。判断の目安として使ってください。
| プラン | 月額 | クレジット | アプリ数 | 実務上の判断 | |---|---|---|---|---| | Sandbox | 無料 | 200件 | 5個 | 学習・試作。まずここで一通り触る | | Professional | $59 | 5,000件/月 | 50個 | 個人〜小規模の本番運用の入口 | | Team | $159 | 10,000件/月 | 200個 | 複数人・複数アプリを運用する段階 | | Enterprise | カスタム | — | — | 大規模・専用要件。個別見積り |
料金の要点を言葉でも押さえておきます。まず無料のSandboxプランがあり、クレジット200件・アプリ5個まで使えます。学習や試作はここで一通り触れます。次が月額59ドルのProfessionalプランで、月5,000クレジット・アプリ50個まで。個人から小規模の本番運用の入口です。その上が月額159ドルのTeamプランで、月1万クレジット・アプリ200個まで。複数人・複数アプリを運用する段階向けです。さらに大規模で専用要件がある場合はEnterpriseプランで、料金は個別見積りになります。要するに、まず無料で学び、本番で使い始めたらProfessional、人数とアプリが増えたらTeam、という順に上がっていくイメージです。
クラウドとセルフホストの比較も整理します。
| 観点 | クラウド版 | セルフホスト版 | 実務上の判断 | |---|---|---|---| | 始めやすさ | すぐ使える | 構築の手間あり | 学習開始はクラウド一択 | | データ管理 | Dify社環境を経由 | 自社管理下に置ける | 機密要件が厳しいならセルフホスト | | 運用負荷 | Dify社が担う | 自社で担う | 運用人員がいないならクラウド | | コスト構造 | 月額 + クレジット | サーバー費 + 自社工数 | 大量利用はセルフホストが有利になり得る |
この比較も言葉でまとめておきます。始めやすさで見ると、クラウドはすぐ使え、セルフホストは構築の手間があるので、学習の開始はクラウド一択です。データ管理で見ると、クラウドはDify社の環境を経由し、セルフホストは自社の管理下に置けるので、機密要件が厳しいならセルフホストです。運用負荷は、クラウドはDify社が担い、セルフホストは自社で担うので、運用人員がいないならクラウドが向きます。コストは、クラウドが月額プラス従量、セルフホストはサーバー費プラス自社工数なので、大量に使うほどセルフホストが有利になり得ます。つまり、手軽さと運用のおまかせを取るならクラウド、データの自社管理と大量利用を取るならセルフホスト、という整理になります。
ライセンスにも触れておきます。DifyはApache 2.0ベースに追加条件を加えた「Dify Open Source License」で提供されており、商用の再販やマルチテナント提供には制限がかかる可能性があります。セルフホストで顧客に再提供する用途を考える場合は、事前にライセンス原文を確認してください(本書では断定を避けます)。
商用ライセンスの判定を「どのケースが要ライセンスか」まで詰めたいとき、セルフホストのコンポーネント構成やデプロイ手順を実務で組みたいときは、辞典側のreference/license.mdとreference/architecture.mdを参照してください。
具体例
ある中小企業は、まずSandboxで社内FAQボットを作って有効性を確認しました。全社展開でアプリ数と利用が増える見込みが立った段階で、機密文書を自社管理下に置きたい要件も出たため、セルフホスト版への移行を検討し始めました。「クラウドで検証→要件確定→セルフホスト」という流れは、最初から自前構築で悩むより手戻りが少ない進め方です。
ミニ演習
問題: 「運用担当のエンジニアがおらず、まず社内で試したい」段階の会社に勧めるのは、クラウド版とセルフホスト版のどちらですか。理由も1つ挙げてください。
答え: クラウド版。サーバー構築や運用の手間がなく、無料のSandboxですぐ試せるため。
解説: セルフホスト版は構築・運用の技術的負荷があり、担当者がいない段階では負担が大きくなります。検証段階ではクラウド版で素早く価値を確認し、要件と体制が固まってからセルフホストを検討するのが定石です。
この章のまとめ
- 手軽さ・運用委任ならクラウド、データ自社管理・大量利用・カスタマイズならセルフホスト
- セルフホストはDocker Composeで11コンテナ、最小CPU 2コア・RAM 4GiB(公式ドキュメント)
- ライセンスはDify Open Source License。再販・マルチテナント提供は制限の可能性あり、原文確認を
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