CHAPTER 01

第1章 Difyの全体像をつかむ

Difyが何者で何を解決する道具かを1文で言えるようになる。6つのコア機能と、ChatGPTとの違いを地図として頭に入れる

ステータス: 🟢 現役 最終更新: 2026-07-13 作成者: にしむら(学習キュレーター)

この章のゴール

Difyが何者で、何を解決する道具かを1文で言えるようになること。細かい機能に入る前に、全体の地図を頭に入れます。

まず結論

Difyは「LLMを使ったアプリを、コードをほとんど書かずにブラウザ上で組み立て・公開・運用できるオープンソースのプラットフォーム」です。ChatGPTが「AIと会話する場所」だとすれば、Difyは「AIを組み込んだ自分のアプリを作る工房」にあたります。作れるものはチャットボット、文書要約ツール、自社マニュアルに答えるQAなど多岐にわたります。

やさしい解説

LLM単体は非常に賢いですが、そのままでは「会話する箱」に過ぎません。実務で使うには、自社の文書を参照させたり、決まった手順で処理させたり、複数人で使える画面を用意したりと、周辺の仕組みが必要になります。これを毎回プログラムで自作するのは大変です。Difyはこの周辺の仕組みを部品として用意し、ビジュアル操作で組み合わせられるようにしたものです。

Difyには6つのコア機能があります(公式ドキュメント)。Workflow(処理の流れを組む)、Comprehensive Model Support(多数のLLMに対応)、Prompt IDE(プロンプトを編集・比較する)、RAG Pipeline(文書検索を組み込む)、Agent Capabilities(AIにツールを使わせる)、LLMOps(ログを見て改善する)です。この6つが本書で扱う内容とほぼ対応しています。

規模感も押さえておきましょう。GitHubのスター数は約148k(2026年7月時点)で、オープンソースのAI関連ツールとして広く使われています。最新バージョンはv1.15.0(2026年6月25日リリース)です。数値は時点情報なので、参照時は公式で確認してください。

具体例

ある中小企業のAさんは、社内からの「経費精算のやり方」という同じ質問に毎日答えるのに疲れていました。ChatGPTに経費規程を毎回貼り付けて聞く運用も試しましたが、貼り忘れや誰でも使える形にできない問題がありました。DifyでRAGを使い、経費規程を一度取り込んだQAボットを作れば、社員が公開URLから直接質問でき、Aさんの手を離れます。これがDifyの典型的な使いどころです。

ミニ演習

問題: 次のうち、Difyの説明として最も適切なものはどれですか。(a) 新しいLLMを一から学習させる訓練ツール (b) LLMを使ったアプリをコードをほぼ書かずに組み立て・公開・運用できるプラットフォーム (c) 表計算ソフトの代替となる会計ツール

答え: (b)

解説: Difyは既存のLLM(GPTやClaude等)を部品として使う「工房」であり、モデル自体を訓練する道具ではないため(a)は誤りです。会計専用ツールでもないため(c)も誤りです。Difyの本質は「アプリの組み立て・公開・運用を、ノーコードに近い形で実現する」点にあります。

この章のまとめ

  • Difyは「LLMアプリをブラウザで組み立て・公開・運用するオープンソースの工房」
  • 6つのコア機能(Workflow / Model Support / Prompt IDE / RAG / Agent / LLMOps)が骨格
  • ChatGPTが「会話する場所」なら、Difyは「AIを組み込んだアプリを作る場所」

次に読む

  • 02-first-app.md — 第2章 クラウド版で最初のアプリを作って動かす