CHAPTER 00

Dify入門 はじめに — 用語と全体像の準備

Difyがどんな道具かを1文で説明できるよう、教科書全体の狙い・8つの必須用語・前提知識を先に整える導入

ステータス: 🟢 現役 最終更新: 2026-07-13 作成者: にしむら(学習キュレーター)

この章でできること

Dify(ディファイ)というLLMアプリ開発プラットフォームを、コーディング経験が少ない人でも使いこなせるようになる——それがこの入門教科書のゴールです。この「はじめに」では、本編に入る前に、教科書全体の狙い・押さえておくべき8つの用語・前提知識をそろえます。

この教科書の狙い

Difyは「オープンソースのLLMアプリ開発プラットフォーム」です。名称はDefine(定義する)とModify(修正する)を組み合わせた造語だとされています(Dify公式ドキュメント)。チャットボット・ワークフロー・自社文書に答えるAIなどを、ブラウザ上のビジュアル操作で組み立てられます。

本編(第1章〜第6章)では、全体像の把握から始め、クラウド版で最初のアプリを公開し、ワークフローとRAGを構築し、クラウドとセルフホストを使い分け、最後に運用改善まで、6章で一通りを体験します。各章にはミニ演習を、巻末(実践課題の章)には5つの実践課題を用意しました。手を動かしながら読み進めてください。

なお、料金・バージョンなどの数値は変化が速いため、本書では「2026年7月時点」の情報として記載します。実際に使う際は公式サイトで最新を確認してください。

003事業(AI導入支援)向けに「ライセンスはどうなっている?」「RAGはどう設計する?」「顧客のデータはどう分離する?」といった実務を調べたいときは、この入門教科書ではなく reference/ の辞典を引いてください。入門は順番に読む教材、referenceは必要な項目だけ引く辞典、と役割が分かれています。

用語集(8語)

LLM(大規模言語モデル): 大量の文章で学習し、質問に文章で答えたり要約・翻訳・分類をこなすAIモデル。GPT・Claude・Geminiなどが代表例。Difyはこれらを部品として使い、アプリを組み立てる土台にします。

Dify: オープンソースのLLMアプリ開発プラットフォーム。ブラウザ上でチャットボットやワークフローを組み立て、公開・運用できます。名称はDefine + Modifyに由来するとされます(公式ドキュメント)。

プロンプト: LLMへ渡す指示文のこと。「丁寧な口調で3行以内に要約して」のように役割・条件・出力形式を書きます。プロンプトの質が回答の質を大きく左右します。

ワークフロー: 処理を複数のステップ(ノード)に分け、線でつないで流れを作る仕組み。入力→LLM処理→出力のように順序立てて実行でき、条件分岐や外部ツール呼び出しも組み込めます。

RAG(検索拡張生成): Retrieval-Augmented Generationの略。質問に関係する文書をまず検索し、その内容をLLMに渡してから回答させる手法。自社マニュアルなどモデルが元々知らない情報に答えさせられます。

クレジット・トークン: クレジットはDifyクラウド版の利用量を数える単位で、AIの実行回数などに応じて消費します。トークンはLLMが文章を扱う最小単位(おおむね単語や文字の断片)で、長文ほど多く消費します。

セルフホスト・クラウド: クラウドはDify社が運営するサーバーを使う方式。セルフホストは自前のサーバーにDifyを構築して動かす方式。データの置き場所と運用責任が両者で異なります。

エージェント: 与えられた目標に対し、どのツールをどの順で使うかをLLM自身が判断しながら実行する仕組み。DifyではFunction CallingまたはReActを土台にし、50以上の組み込みツールを呼び出せます(公式ドキュメント)。

この教科書でできるようになること

  • Difyが何を解決する道具かを、1文で他人に説明できる
  • クラウド版でチャットボットを作り、公開URLを発行できる
  • ワークフローで複数ステップの処理をビジュアルに組める
  • RAGの仕組みを説明でき、自社文書に答えるAIを構築できる
  • クラウドとセルフホストのどちらを選ぶか、根拠付きで判断できる
  • ログを見て改善を回すLLMOpsの考え方を実践できる

前提知識

  • ブラウザとメールが使える(サインアップ・URL操作ができる)
  • ChatGPTなどの生成AIを一度は触ったことがある(必須ではない)
  • プログラミングの知識は不要(第5章のセルフホストだけコマンド操作が出てきますが、概念理解が目的で写経は任意です)

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